うちのトマトですが、6/4に、
生長点近くの本葉、生長点から上から4~5本目までですかね、
緑の葉に、鮮やかな黄色の差し色が入りました。

”これはいったい何だろう?土壌の肥料成分が偏っているのかな??”
などと考えておりましたが、
日に日に葉が巻き始め、トマトの茎の周りにある毛も
だんだんなくなってシダ植物のようになり、
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生えてくる脇芽も、トマト独特の毛が少ないものが
勢いがない雰囲気で出てくる程度。
株がフリーズしたかのように、成長が止まり、
アロイトマト、ミニトマトも含め、
全16株が『全滅』致しました。


素人ですが、ネットで何時間も調べて、その症状の
進行具合いから、私の見立てでは、間違いなく黄化葉巻病です。


症状を確認してから20日以上も見守りましたが、
ここまで成長の止まったトマトを始めてみました。
もう、質感はまったくトマトではありませんでした。
ええ。あの爆発的に成長するトマトが
ほとんど成長しないんですよ。

黄化してクルンクルンに巻いて
ダメになった上の方の葉以外の、下の方の残っている葉も
内側へカールしており、触るとパリパリな感じで、
残念ながら健康な雰囲気がありません。

これが、全体像で、
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これが、生長点。
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残念なのは、黄化しはじめの初期の写真が残っていないことです。
枯れるというよりも、濃い緑と黄色の鮮やかなコントラストが印象的でした。
そこから、若葉なんかはゴムが溶かされるように巻くんですよ。
つまり、黄色に変色した個所は、全てクルンクルンになって消滅したのが
こちらの写真なわけです。


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ひとまずネット上で調べたマニュアルなどに従い全撤去。
未練など残す気持ちも起きないほど、
一目で成長と収穫が見込めない株だと分かる症状です。
クルンクルンのところは触った感じ、
溶かされたゴムのようです。
生長点がそうなのですから。
まるでロウ付けされて、固まったかのよう。

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今年も大量に収穫し、種取りしたかったが仕方がない。
まあ、思うのは、一年目でなくて良かった。
一年目で大成功していたのは本当に良かったと思う。
全滅ってのもなかなか良い経験をしたと思う。

もはやこれまで。

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しかし心配なのは、この病気は毎年頻発するものなのだろうか??


少し調べてみたが、トマト黄化葉巻病は、
TYLCV(Tomato yellow leaf curl virus)を病原体とするウイルス病で、
種子感染や、土壌感染はなく、タバココナジラミという
虫を介して伝染するのだそうだ。


越冬できない性質であることから、冬になれば死滅するはずだが、
冬にハウス栽培されているトマトハウスに入り込み越冬し、
それらのトマトづくりが終了した暖かくなり始めたころに
外に出てきて、野外の野良トマトや家庭菜園のトマトに感染してしまう。
そして冬になったら、また育苗中のハウスへ戻っていく。
というように、それがグルグル回って感染し続けるということらしい。
感染経路は、ほぼトマトと特定できるらしいので、
上に記した単純なサイクルを繰り返しているようだ。
ほかの植物はあまり関係ないらしく、
トマトとトマトを行ったり来たりしているようだ。


はっきり言って、野外で感染を防ぐのは至難の業だし、
プロもこれらのサイクルを断ち切るのは至難の業であることは
間違いない。タバココナジラミはとても小さいから
プロ育成者の施設に入り込みやすく、越冬してしまうだろうし、
TYLCVの媒介が15~30分という短時間で成立してしまう。
つまり感覚的には、ほぼ一瞬で感染し、発症しそうな雰囲気だ。

農薬では、ネオニコチノイドが効くらしい。
でも、こういった物が使われていないトマトを食べたいから
家庭菜園で作っているわけである。
ま、それはおいといて。

しかしどのくらいの感染率なのか。
かなり気になる。
これだけ短時間で感染するなら、
ウイルスに感染したタバココナジラミが少しでもいれば、
すぐに感染してしまうような気がする。

しかし、例えば、一株ダメになったとして、
すぐに気づいて撤去したら、隣の株は大丈夫なのだろうか。
今回みたいに、まったく知識のなかった私の場合は、
全株感染するまで、なんの対策もしなかった。
全部おかしくなるまで、よく分からなかったからだ。
すぐに気づいて撤去しても、すぐにコナジラミが飛んでくるんじゃないか??


ちょっと試してみたいことがある。
ここに今、新たにトマトを植えたらどうなるのか。


昨日まで黄化葉巻病の苗が密集していたところに、
千果99のような、耐性のある苗を植えてみたらどうか。
と、耐性のない苗を植えてみたらどうか。
やっぱりすぐに感染してしまうのか。千果99は本当に感染しないのか。
そこら辺の雑草に、コナジラミがいるのかどうか。
とても気になるところである。
ちょっと試したいと思っている。

苗を買うのはポリシーに反するのだが、

私:「今年のトマトは全滅だわ。全部撤去する。」
妻:「えっ?そうなん??全部だめなん??」
私:「全部だめだね。」
と言ったら、

娘:「あるよ!!パパトマトあるよ!おそとにあるよ!
い~~っぱいあるよ!!」
と娘がくらいついてきた。

私:「全部ダメになっちゃったよ。」
と伝えると、
娘:「いっぱいあるよ!トマト!トマト好きだもん!
トマトいっぱい食べるよ!」
すでに、枝豆や、スナップエンドウ、トマトの苗を識別できる
三歳児が、がんばって叫んでいる。

なんか、こうなってくると、パパとしては、
自分のこだわりなんかどうでもいいから、
なんとかしてやりたいと思ってしまうものなのだ。

私が知っている最寄りのトマトハウスは
大体3キロくらい離れたところにある。
そこから風で運ばれてくるのだろうか。
野外では越冬できないから、越冬ポイントが必ずあるはず。
よくわからんが、飛んで来たらアウトだ。
とんでもない病気が海外から渡ってきていたんだね。
家庭菜園をしなければ何も知らなかった。
あと、スーパーの野菜はやはり、相当に農薬が使われていそうだと
考えさせられる。

これを機に、ますます無農薬の重要性を考えさせられる。
薬でタバココナジラミを一掃しようと思えば、
おそらく益虫もやられてしまうのだ。